サッカーＪ２のいわきＦＣは９日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき（いわき市）で鹿児島ユナイテッドＦＣと対戦し、３―１で破り、今季３戦目で初勝利を挙げた。いわきは勝ち点３を獲得、通算成績を１勝１分け１敗とし、順位が２０チーム中７位に浮上した。

　いわきのホーム第２戦には３５９９人が訪れた。いわきは前半から攻勢を強め主導権を握ると、３３分にＦＷ谷村海那がヘディングで先制ゴールを挙げた。後半開始早々に失点したが、１６分に再び、谷村が頭で勝ち越し弾を決めた。３２分にもＭＦ山下優人が追加点を奪った。

　いわきの次戦は１７日。アウェーのえがお健康スタジアム（熊本市）で１７位のロアッソ熊本と対戦する。午後１時開始予定。

　リーグ戦に先立ち、１３日には花園ラグビー場（大阪府東大阪市）で行われるＹＢＣルヴァン・カップの１次ラウンド１回戦で、Ｊ３のＦＣ大阪と戦う。午後７時開始予定。

【動くグラフで見るJ2順位】

　【評】いわきが快勝した。前半は風上に立ったことも有利に働き、積極的なプレスとピッチを広く使った攻撃で何度も好機をつくり、鹿児島を圧倒した。前半３３分にはサイド攻撃からＦＷ谷村が先制した。後半は開始直後に失点したが、ＦＫを起点に谷村が後半１６分に頭で勝ち越し弾を決め、再び主導権を握った。後半３２分には敵陣からのカウンターで山下が追加点を挙げ、突き放した。（小磯佑輔）

　先制、勝ち越し、アシストも

　いわきのＦＷ谷村海那が２ゴール１アシストで３得点全てに絡んだ。前節終了間際の劇的な同点弾に続き、殊勲の活躍を見せ「この調子で続けていきたい」と笑った。

　先制点は前半３３分。ＤＦ石田侑資のクロスに頭で合わせてゴールを奪うと、勢いに乗った。「１点を取ってから『きょうはいけるな』という感覚をつかんだ」。次は後半１６分。ＦＫを起点としたＭＦ山下優人のクロスに対し、頭で合わせて押し込んだ。

　「クロスに合わせるだけだった」と仲間に感謝した谷村。３点目は絶妙なアシストを見せた。中盤でボールを奪ってドリブルで前進。ゴール前に進入すると、仲間から折り返しのパスを冷静につなぎ、ＭＦ山下のゴールをお膳立てした。「体力的にはきつかった。でも失点だけはしないようにと、頑張った」と振り返った。

　谷村は今季で在籍５年目。加入当時に指摘されていた「走れない選手」の面影はない。この日もしっかり走って献身的なプレーを見せた谷村。田村雄三監督は「やりたいことを理解してくれる。いわきを体現する選手の一人」とたたえた。

　試合後の発言からは、谷村の中心選手としての自覚が感じ取ることができた。「自分が点を取ることでチーム内にライバル意識が生まれ、若手の得点にもつながってほしい」。谷村が結果でチームを引っ張る。（小磯佑輔）