いわきFC、6試合ぶり黒星 攻撃かみ合わず秋田に惜敗

 
【秋田―いわき】試合終了間際、いわきのMF谷村(左から2人目)と連係して得点機をつくるMF大西=ソユースタジアム

 サッカーJ2第7節ー。いわきFCは30日、アウェーのソユースタジアム(秋田市)でブラウブリッツ秋田との東北ダービーに臨み、0―1で開幕戦以来、6試合ぶりの黒星を喫した。通算成績は2勝3分け2敗で、20チーム中12位に順位を落とした。

 いわきは前半16分、左サイドからのクロスに頭で合わせられて先制を許すと、引いて守る相手に攻撃のリズムをつかめず、シュート2本で前半を終えた。後半はサイドを使いながら、相手ゴールに迫る場面をつくったが、シュートが枠を捉えきれなかった。

 いわきは次戦の4月3日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で17位藤枝MYFCと対戦する。午後7時開始予定。

秋田戦スコア

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは秋田の守備を崩すことができなかった。前半16分に先制され、巻き返しを狙ったが、引き気味に守る秋田に対し、前線に蹴り込んだロングボールをはね返される場面が目立った。前半のシュート数は2本にとどまり、決定機をほとんどつくることができなかった。後半はサイドを使ってボールを動かし、ゴールに迫るシーンを何度もつくったが秋田の堅守に阻まれた。

 冷静さ欠きチャンス作れず

 いわきは攻守で秋田に持ち味を発揮され、白星を献上した。「前半にいいようにやられ、自分たちから相手のサッカーに付き合ってしまった」。中盤で攻守の組み立てを担ったMF大西悠介は歯がゆそうに振り返った。5試合負けなしで好調だったが、昨季1分け1敗と勝てなかった秋田のペースにのまれた形だ。

 先取点を奪われたのが痛かった。クロスからの得点を武器とする秋田の術中にはまり、前半16分に左サイドからのクロスにゴール前でマークを外されて失点。一瞬の隙を突かれてリードされると、攻撃の歯車もかみ合わなかった。

 「セカンドボールを拾うのに集中し過ぎた。相手からのプレッシャーがないのに、簡単に前に蹴ってしまうシーンが多かった」と大西。ボールをつないで前線に運びたかったところで、全体として冷静さを欠き、決定的なシュートチャンスを生み出すことができなかった。結果的に前半の失点が最後まで響き、勝敗に直結した試合だった。

 ただ、後半は相手DFの出方を見極めながら、両サイドを生かして攻撃を仕掛けた。修正して立て直した点は大きな経験値となったはずだ。

 今は長いリーグ戦の序盤戦で、敗戦も次への貴重な財産だ。大西は「反省を次の糧にして、1人1人が成長していけるようにやっていくしかない」と語ったように、立ち止まっている時間はない。(佐藤智哉)

 大迫、リーグ戦初出場

 今季、いわきに加入したMF大迫塁がプロ入り後初のリーグ戦出場を果たした。J1のC大阪から育成型期限付き移籍で加わったボランチの大迫は「準備はしてきた。緊張とかはなく、チャンスメークを意識してやった」と涼しい顔で語った。昨季はC大阪でカップ戦のみの出場にとどまっていた。

 後半15分、MF山下優人と交代してピッチに立つと、冷静にボールさばき、果敢なサイドチェンジなどから攻撃を活性化させ、得点機を演出した。大迫は「攻めるしかない状況の中で、周りと関わるプレーができればと思った」と振り返った。

 年代別日本代表の選出経験もある伸び盛りの19歳は「もっと得点に関わるプレーをしていきたいし、課題の守備も改善していきたい」と成長を誓った。