山口鮮やか2発、いわきFC4試合ぶり白星、藤枝圧倒 サッカーJ2

 
【いわき―藤枝】前半29分、先制ゴールを決めるいわきのMF山口〈14〉=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第8節-。いわきFCは3日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で藤枝MYFCと対戦、3―0で完勝した。4試合ぶりの勝利で通算成績は3勝3分け2敗となり、順位は20チーム中8位に浮上した。

 前半から積極的に敵陣に迫ったいわきは29分、MF山口大輝のシュートで先制。後半も21分に山口がこの日2点目となるゴールを奪うと、33分にはMF西川潤の移籍後初ゴールとなるPKで藤枝を突き放した。

 いわきは次戦の7日、アウェーのニッパツ三ツ沢球技場(横浜市)で4位の横浜FCと対戦する。午後2時開始予定。
 
240404iwakifc7012.jpg

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】主導権を握り続けたいわきが圧勝した。ハイプレスで藤枝の前進を阻み、カウンターからたびたび好機を演出。前半29分にカウンターで得たCKから、MF山口が先制点を決めた。後半はさらにいわきペースで進む。後半21分にカウンターからMF山口が追加点を決めると、同33分にはFW有馬が得たPKをMF西川が決めた。守っても終盤まで運動量を落とさず、藤枝を完封した。(小磯佑輔)

 山口「やりたいこと出せた」

  降りしきる雨の中、いわきの選手が躍動した。武器の走力を生かしたハイプレスが機能し、前半29分にMF山口大輝がCKから右足のジャンピングボレーで鮮やかに先制すると、その後2点を追加。会心の出来で4試合ぶりの勝利を挙げた。2得点の山口が「やりたいことをほぼ出せた」と話せば、田村雄三監督も「100点じゃないですかね」と選手をねぎらった。

 消極性が垣間見えた前節秋田戦とは見違えるような展開だった。ボール回しを強みとする藤枝を相手に果敢にプレスを仕掛けると、攻撃でも自陣から逃げずにボールをつないで前進。中盤で攻守のつなぎ役となった山口は「連係がしっかりしていた」と語る。

 6―0で大勝した第4節熊本戦と同様、雨が降る試合で結果を残した。その要因を山口は「ピッチが悪い中だと走力の差が出やすい。(いわきは)走り込んでいるから」と分析する。その走力が特に光ったのが2点目だ。FWにボールが収まるや、山口ら複数の選手が素早く反応。出足の速さで相手を振り切り、一気にゴールに迫った。山口は「走り出しの初速はこだわっている。そういう強みをもっと生かしていきたい」と語る。

 昨季までJ1を戦った横浜FCとの次戦を前に、久しぶりの勝利で自信を深めたことは大きい。山口は「(横浜FCは)個人の力がある相手で簡単にはいかないが、しっかりチャレンジしていきたい」と力を込めた。(小磯佑輔)