いわき難敵に肉薄 サッカーJ2、清水と攻守で渡り合う

 
【いわき―清水】後半35分、チーム2点目を決め、いわきサポーターの応援をあおるFW谷村〈17〉=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第10節-。いわきFCは13日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で首位の清水エスパルスと対戦し、2―3で敗れた。通算成績は3勝4分け3敗で、順位は20チームのうち暫定10位。

 今季最多の5038人が来場。序盤に連続失点したいわきは前半22分、FW西川潤が1点を返した。だが後半に3点目を失い、反撃はCKからのFW谷村海那の得点にとどまった。次節は21日、アウェーのレゾナックドーム大分(大分市)で大分トリニータと対戦する。午後2時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきはミスも絡んだ3失点が重くのしかかり、敗れた。前半立ち上がり、清水の激しい攻めに押され立て続けに2点を奪われた。それでも立ち直り、同22分にFW西川のゴールで反撃。そこからはいわきが押し気味に試合を進めた。しかし、後半23分にゴール前での判断ミスから3失点目。FW谷村の得点で再び1点差としたが、最後は守りを固めた清水に逃げ切られた。(小磯佑輔)

 失点ひるまず、果敢に反撃

 「勝てなくて本当に悔しいけど、良いゲームだった」。いわきの田村雄三監督は試合後、選手にこう声をかけたという。チームは2点のビハインドを背負う度に得点を決めて食らいつき、同点のチャンスもつくった。昨季は完膚なきまでにたたきのめされた難敵清水から、勝ち点をもぎ取る可能性を感じさせる好試合を見せた。

 シュート数、枠内シュート数、ボールの保持率、CKの数のいずれも清水を上回った。果敢なプレスで相手の前進を阻んでからのカウンターを仕掛け、自陣からの攻撃でもパス回しで意図的に相手のプレスをかいくぐった。この日1ゴール1アシストのFW谷村海那は「今日は同点にできなかったが、2点差を追いつける力はついていると思う」とチームの成長を実感する。

 手応えを感じているからこそ、選手たちは3失点への反省を口にする。DF照山颯人は「自分のミスで失点した」としながら、「これまでは失点しなかっただけで小さなミスはあったかもしれない。清水にはそこを決めきる質を感じた」と、清水のレベルの高さに言及。谷村も「一つ一つのプレーにこだわって判断していかないといけない」とさらなる成長の必要性を語る。

 シーズンはまだ4分の1を終えたばかり。残りの試合に向けて「強敵から多くを学べた」と、前向きに捉えることができる。試合後は悔しさで涙する選手がいたというが、ミックスゾーンで取材に答えた照山はきっぱりと語った。「もうみんな(気持ちを)切り替えている」(小磯佑輔)

 17日、民友マッチ

 いわきは次節のリーグ戦に先立ち、17日にホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で行われるYBCルヴァン・カップ1次ラウンド2回戦で、J1のアルビレックス新潟と対戦する。

 試合は福島民友新聞社がマッチパートナーを務め、「福島民友プレゼンツマッチ」と位置付けて行われる。午後7時開始予定。