いわきFC、真っ向勝負も敗退 J1新潟に健闘、ルヴァン杯サッカー

 
【いわき―新潟】後半、ゴール前で相手と競り合ういわきのMF坂岸寛大〈6〉=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2のいわきFCは17日、ハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で行われたYBCルヴァン・カップ1次ラウンド2回戦でJ1アルビレックス新潟と対戦し、0―2で敗れた。

 いわきは県社会人リーグ1部に所属していた2017年の天皇杯全日本選手権のアウェー戦で北海道コンサドーレ札幌を5―2で破って以来の「J1撃破」を狙ったが、2勝目はならなかった。

 13日のリーグ戦から先発メンバーを大幅に入れ替えて臨んだいわきは前半6分、CKから先制点を許した。その後はいわきが押し気味に試合を進め、何度も好機をつくったが得点につなげることができなかった。後半追加タイムに2点目を奪われ、突き放された。

 いわきとJ1チームとの公式戦が県内で開催されたのは初めて。「福島民友プレゼンツマッチ」と位置づけられ、3618人が来場した。会場では選手のサイン入りのトレーニングウエアが当たるイベントが行われたほか、いわきの公式マスコット「ハーマー&ドリー」と撮影した記念号外も発行され、大一番を盛り上げた。

 ルヴァン杯は今季からJ1~3の全クラブが参加する大会方式に変更され、いわきは初出場。3月に行われた1回戦で、J3のFC大阪を2―0で下していた。
 
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 【評】いわきは要所でのミスが響き、敗れた。前半は新潟がボールを保持し、いわきがハイプレスからカウンターで攻めた。いわきは立ち上がりにCKから先制を許したが、その後はペースを握って攻め込んだ。後半はいわきが攻守で圧倒した。敵陣で押し込み、両サイドから何度も好機をつくった。それでも随所で精度を欠き、終盤に決定的なミスから失点して突き放された。(小磯佑輔)

 いわき、控え中心でも見せ場十分

 敗れはしたが、J1クラブを苦しめた。いわきはリーグ戦の控え選手を中心に臨んだ一戦で接戦を演じ、今季戦力の充実ぶりを感じさせる90分となった。田村雄三監督は「本当に僅差だった」と健闘をたたえた。

 次戦の大分戦まで中3日と連戦が続くことから、13日の清水戦から先発10人を入れ替えて臨んだ。このうちリーグ開幕戦以来の出場となったMF下田栄祐はフル出場。右足の痛みが再発し、長くリハビリが続いていた下田だったが、この日は持ち前の攻撃的なプレーを随所で発揮し、好機につなげた。
 J1クラブ相手だったが、下田らを中心に「普段通りの戦い」を展開し、シュート数とボール支配率、CKの数で上回った。得点を奪われて新潟に敗れてしまったが、下田は「悲観する内容ではなかった」と振り返った。

 ただ厳しく言えば、新潟に敗れて公式戦2連敗となった。強豪との戦いが続いていることを差し引いても、「良い試合だった」と満足できるチームではなくなっている。いわきは今、それだけの成熟度と戦いぶりを見せており、新潟を相手に確認できた選手層の厚さを追い風にしたいところだ。

 試合後、田村監督が「僅差が大きな差。私生活も含めて、選手はそれぞれ自分を見つめて努力してほしい」と話したように、選手の戦いぶりはさらなる成長の余地を感じさせた。(小磯佑輔)