いわきFC、J2で初の3連勝 数的不利もリード守り千葉破る

 
【いわき―千葉】後半25分、頭で先制ゴールを決め、仲間と喜ぶいわきのFW有馬(右)=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第13節-。いわきFCは3日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でジェフユナイテッド市原・千葉に1―0で勝利し、J2昇格後初めての3連勝を飾った。通算成績は6勝4分け3敗で、順位は20チーム中5位を維持した。

 いわきは前半を0―0で終えると後半25分、DF照山颯人のヘディングパスをFW有馬幸太郎が頭で押し込んで先制した。この1点を守り抜き、3試合連続の無失点勝利をサポーターに届けた。

 観戦チケットは全ての席種で事前に完売し、スタジアムには5025人が来場した。いわきは次戦の6日、アウェーのニンジニアスタジアム(松山市)で7位の愛媛FCと対戦する。午後3時開始予定。

いわきFCの試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】少ない決定機をものにしたいわきが拮抗した試合を制した。ロングボールを主体に攻め込むいわきに対して、千葉は巧みにボールをつないで反撃。互いに堅い守備を展開し、一進一退の攻防が続いた。いわきは後半25分、CKからFW有馬の得点で先制。しかし、その7分後にMF下田が退場すると、一方的に攻められる展開に。最後は体を張ってリードを守り抜いた。(小磯佑輔)

 均衡破った有馬弾

 千葉との接戦をものにしたいわきは、J2で初の3連勝を達成した。「試合前に監督から『勝って歴史を変えよう』という話があった。変えることができて本当に良かった」。決勝点を決めたFW有馬幸太郎は喜びをかみしめた。

 得点は後半25分にCKから生まれた。MF大迫塁のクロスをファーサイドのDF照山颯人が折り返し、逆サイドの有馬が頭で押し込んだ。「『折り返しでほぼゴールに入っていた』と(仲間から)言われたけれども、ゴールはゴールなんで」。有馬は笑顔で振り返る。

 「チームメートから得点を期待されていた。みんなの喜ぶ顔が見ることができてうれしかった」とも語る有馬。これまで全試合に出場しながら、2得点と決して多くはない。それでも、田村雄三監督は「彼がしっかりプレスをかけてくれるから無失点にできている。人間性を含めて、いわきのサッカーを体現してくれる選手」と厚い信頼を語る。

 勢いに乗って4連勝へ向かいたいが、道のりは険しい。今季初の中2日の試合を移動を伴うアウェーで迎えることに加え、今回退場したMF下田栄祐と累積4枚目の警告を受けたMF大西悠介の2人が出場停止となるからだ。有馬は万全を尽くすことを誓う。「厳しい日程になるが、良い準備をしていきたい」(小磯佑輔)