いわきFCリズムに乗れず、不満残る勝ち点1 徳島とドロー

 
【いわき―徳島】前半22分、左足で先制ゴールを決めるいわきのFW谷村(右)=ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第17節ー。いわきFCは26日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で徳島ヴォルティスと対戦し、1―1で引き分けた。通算成績を7勝6分け4敗とし、順位は20チーム中7位を維持した。

 前半、風上に立ったいわきは22分、DF石田侑資のクロスをFW谷村海那が左足で決めて先制。しかし終了間際に同点を許すと、風下となった後半は互いに得点を奪えず、1―1のまま試合を終えた。いわきは次戦の6月2日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で5位ベガルタ仙台と対戦する。午後1時開始予定。

いわきFCの試合結果

【動くグラフで見るJ2順位】

 【評】いわきは最後までリズムに乗れず、引き分けた。互いに前線からの激しいプレスとロングボール主体の攻撃を仕掛けたことで、競り合う場面が数多く繰り広げられた。いわきは前半22分、競り合いから得たFKの流れからFW谷村が決めて先制。しかし前半終了間際に今度は相手のFKから同点とされた。後半はサイドから積極的に攻めようと試みたが、シュート1本にとどまりミスも散見された。(小磯佑輔)

 谷村、少ない好機生かす

 いわきにとって、満足のいかない結果となった。「上位を狙うなら絶対に勝たないといけない試合だった」。得点を挙げたFW谷村海那は引き分けに終わった一戦への悔しさをにじませた。

 得点の場面は狙い通りの形だった。押し込まれた際にペナルティーエリアにスペースが生まれる徳島の傾向を事前に分析し、見事に得点。田村雄三監督は「攻撃の選択肢を少しずつ増やせている」とチームの成長を喜ぶ。狙った攻撃でエース谷村がきっちりとゴール決めたことも収穫となった。谷村は今季8得点目。昨季の7得点をすでに超え、リーグ得点ランキングでも2位タイにつけた。

 しかし、試合全体の主導権を握ることはできず、パスミスも目立った。セットプレー以外に好機は少なく、逆にパスミスから決定機をつくられた。特に後半は、シュートが1本にとどまるなど相手のゴール前まで前進する場面すら少なかった。

 谷村が苦戦の要因に挙げたのは、DF照山颯人の負傷退場だ。最終ラインでパス回しの中心を担う照山が退くと、ボールを失うリスクを避けるために選手たちのロングボールが明らかに増えた。谷村は「照山がいなくても、配球ができないといけない」とチームの課題を口にした。今回の引き分けを成長の糧とし、東北勢トップを走る仙台を迎え撃ちたい。(小磯佑輔)