新地・釣師防災公園が開園 津波で被災、沿岸部の復興事業

 
オープンした公園で遊ぶ子どもたち

 新地町が東日本大震災による津波で被災した釣師地区に整備を進めてきた釣師防災緑地公園が15日、開園した。沿岸部復興の中心事業で、来年4月に国内最大級の自転車競技施設「パンプトラック」がオープンして全面開園となる予定。津波減災とともに町内外の人が訪れる交流施設としての役割も期待されている。

 同地区は今年再開した釣師浜海水浴場周辺に位置し、津波で地区内全住宅の約160戸が流失、30人以上が犠牲になるなど町内で最も被害が大きかった。

 県の海岸堤防かさ上げ工事に合わせ、町が災害危険区域に指定された約18ヘクタールに防災緑地を整備。総事業費は24億3千万円で国の補助金を活用している。

 敷地内には、大型遊具を置く広場やランバイクトラック、震災慰霊碑、オートキャンプ、バーベキューサイトを設置。来年オープン予定のパンプトラックは、BMXなどの国際大会誘致も視野に入れる。管理棟は、地区の震災前のジオラマや年表を置くなどアーカイブ施設(震災記録施設)としても活用される。

 式典では、大堀武町長が「犠牲となった人たちのためにも交流の場としてにぎわってほしい」とあいさつ。関係者がテープカットした。公園内の遊具の命名者の一人で、町内の自宅が津波被害に遭った高校2年の生徒は「笑顔があふれる場所になってほしい」と話した。