大震災の記録と教訓...世代超えて 伝承館、双葉に9月20日開館

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故のアーカイブ拠点施設(震災記録施設)「東日本大震災・原子力災害伝承館」は9月20日、双葉町中野に開館する。

 県が収集した資料の展示や「語り部」活動、大型スクリーンでの映像放映などを通じ、未曽有の複合災害の記録と教訓を国や世代を超えて継承、発信する。

 県と指定管理者の福島イノベーション・コースト構想推進機構が3日発表した。

 施設は地上3階建て(延べ床面積5256平方メートル)で、震災・原発事故を時系列に沿って伝える六つのゾーンで構成。

 導入部分の「プロローグ」では7面の大型スクリーンを使い、震災前の様子から震災と原発事故の発生、避難生活を経て復興へ歩む姿などを表現する。

 研修機能も備え、復興の歩みを発信する本県独自の旅行企画「ホープツーリズム」の受け入れにもつなげる。

 伝承館は当初、東京五輪・パラリンピックの開催に合わせて今夏の開館を見込んでいた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴って展示物の制作が遅れ、開館が秋にずれ込んだ。施設は昨年2月に着工し、今年6月上旬に完成していた。