津波被害後も現存、「屋敷林」民俗文化財に 南相馬市教委が指定

市の有形民俗文化財に指定された屋敷林
南相馬市教委は28日までに同市鹿島区北右田にある3本のタブノキなどの屋敷林を市の有形民俗文化財に指定した。
市教委によると、屋敷林がある北右田周辺は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた地域。周辺の住宅などはほとんど流されてしまったものの、屋敷林は残った。
市教委の担当者は「タブノキが潮水に強い特性を持っており、津波被害の後も現存できている」と分析する。木には津波被害の痕が残っているという。
また、屋敷林は昔の生活を知る史料としても重要という。周辺地域では冬になると西風が強く、寒さや風を耐えしのぐためにも家の周りに屋敷林を整備していた歴史がある。
このため、市教委は集落の景観、土地の歴史を示す震災遺産として文化財に指定した。今後は屋敷林の近くに当時の歴史を知ることができる看板の設置を検討している。屋敷林はみちのく鹿島球場から約750メートルの場所にある。
担当者は「通り掛かった際には目を向けてもらい、かつて生活があったことを知ってもらえれば。震災記憶の伝承にもつなげたい」としている。
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