復興係数...新年度も継続 国交相表明、震災被災3県入札不調対策

 

 国土交通省は東日本大震災で被災した福島、岩手、宮城3県の入札不調対策として、費用を割り増しして発注する「復興係数」を2022年度も継続する。斉藤鉄夫国交相が16日、オンラインで開かれた復興加速化会議で、内堀雅雄知事らの要望に応えた。

 復興係数は、国交省が14年2月に導入した特例措置。現場の仮設トイレ設置や工事用道路の整備など「共通仮設費」は1・5倍、作業員の労務管理費など「現場管理費」は1・2倍にそれぞれ引き上げ、入札不調の解消を図っている。斉藤氏は「第2期復興・創生期間では、福島県内に残る復興事業などを引き続き着実に推進していく必要がある」と強調、「円滑な施工体制を確保するためにも、措置を継続する」と述べた。

 ただ土工を対象に措置している復興歩掛については、作業効率が向上しているとして、標準作業量の補正率をこれまでの「20%低減」から「10%低減」に見直すとした。

 内堀知事は本県の復興状況を説明した上で、復興係数の継続に加え、ふくしま復興再生道路や復興祈念公園の整備に必要な予算の確保、基幹道路や小名浜港東港地区の整備促進などを要望した。

デジタル技術活用の施工や遠隔臨場支援 サポーター制度導入へ

 国土交通省は新年度、建設業の生産性向上に向けて「ICTサポーター制度」を導入する。建設現場でのICT施工や遠隔臨場などの利活用促進を目的に、地元企業がICTを活用した技術支援やアドバイスが受けられる仕組みを構築する。

 16日の復興加速化会議で示した。東北復興「働き方・人づくり改革プロジェクト」の一環で、連絡調整会議を通じて豊富な実務経験や知識を持つ人材をサポーターに任命、ニーズに応じた技術支援を行う。

 このほか、働き方改革を推進するため実施している「統一土曜一斉現場閉所」を本年度の月1日から新年度は月2日に拡大するほか、担い手の育成・確保につなげるデジタル技術活用に対応した研修・セミナーの対象者も拡大する。