葛尾「住居ゾーン」整備へ 企業誘致本格化、移住定住促進図る

 
葛尾村落合字西ノ内の「住居ゾーン」整備予定地

 葛尾村は新年度、同村落合字西ノ内地区に約100人が暮らせる「住居ゾーン」の整備に乗り出す。単身、家族向けの住宅を段階的に整備し、2025年度までの完了を目指す。東京電力福島第1原発事故で全村避難した村は家屋の解体が進み、住まいの確保が大きな課題だ。企業誘致や移住定住が本格化する中で住環境を改善し、移住者の獲得増加を図る。

 10日開会した3月村議会で、住居ゾーンの整備に向けた民有地買収などの事業費1600万円を含む新年度一般会計当初予算案が提出された。

 村では、村内2カ所に整備した産業団地への企業進出が進んでいる。残る区画でも企業から引き合いがあり、ほぼ全て埋まる見通しだ。今月には村内に移住定住支援センターを開設する。村外からの移住定住に向けた動きが本格始動し、進出企業の従業員や移住者らの受け皿となる住環境の整備が喫緊の課題だった。

 村は16年6月に大半の地域で避難指示が解除され、各地に約40戸の村営住宅を整備したが、すぐに埋まってしまう状況が続いている。このうち西ノ内地区にはすでに村営住宅18戸があり、住居ゾーンはこれを含めた一体的な住宅群として整備する。今後、アパートや戸建てなど建物の戸数や種類について具体的な検討を進める。村は「企業誘致や移住定住施策と同時並行で住環境を整備し、復興を進めたい」としている。