「証言あの時」震災学習に役立てて 福島民友新聞社が伝承館に寄贈

 
後藤副館長(左)に「証言あの時」を手渡した小野編集局長

 福島民友新聞社は1日、震災の記憶と教訓を後世に伝えるため発行した書籍「東日本大震災10年 証言あの時」を、東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)に寄贈した。伝承館1階の資料閲覧室に配架され、来場者らの震災学習などに役立てられる。

 贈呈式は同館で行われ、福島民友新聞社の小野広司編集局長が「一人でも多くの人に手に取ってもらいたい」と伝承館の後藤雅文副館長に書籍を手渡した。後藤副館長は「震災当時の状況を知ることができる貴重な証言だ。来館者にはじっくりと読んでいただきたい」と述べた。

 「証言あの時」は、本紙で2020年9月~21年3月にかけて連載した震災10年のインタビュー企画。書籍には「証言あの時」の25編に加え、21年6月に掲載した番外編3編の計28編を収めた。グラフや年表、当時の報道写真などを使い、被災地の首長ら当事者の証言で10年間の出来事を振り返っている。

 伝承館でも書籍販売

 「証言あの時」は1日から、東日本大震災・原子力災害伝承館での販売も始まった。A5判オールカラー304ページで1980円。震災に関連した復興ツーリズムや研修で訪れた人が気軽に本書を手にする機会を設け、さまざまな問題の歴史的背景や現状に理解を深めてもらうのが狙い。

 伝承館以外での購入は、最寄りの書店または福島民友新聞社の本社や各支社・支局へ。アマゾンでも購入できる。問い合わせは出版部(電話024・523・1638)へ。

■「東日本大震災10年 証言あの時」販売中