楢葉の清神社が再建 東日本大震災の津波で被災

 
再建された清神社

 東日本大震災の津波で被災し、再建が進められていた楢葉町前原地区の清(せいの)神社が完成し、27日、現地で神事が行われた。関係者が心のよりどころとなる神社の再建を祝った。

 同神社は津波で床上浸水の被害を受けた。また、東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた影響で、かつて100戸あった氏子は10戸まで減少。手入れが行き届かず、神社は朽ち果てる寸前だったという。そんな姿を見た総代や氏子、宮司が一丸となって神社を自らの手で解体、再建することを決めた。

 県神社庁の紹介で、「災害被災神社再建・復興プロジェクト」を展開している大阪府の住宅メーカー「創建」が再建を担当。さい銭箱など津波の被害を免れたものは修繕して設置され、当時の面影も残されている。

 同日、現地で竣功(しゅんこう)奉告祭が行われた。宇佐神正道宮司が「地域住民と一丸となり、前原地区の守り神として残していく」とあいさつ。総代の梶原活司代表は「後世まで大切に引き継いでいく」と思いを語り、創建の吉村孝文会長は「無事に再建できてほっとしている。町のにぎわいが戻ることを願っている」と話した。

 7月には同神社で、12年ぶりに夏祭りが開かれる予定。