若手署員が不明者捜索 いわき中央署、体験伝える講話も受講

 
道具を手に行方不明者の手掛かりを捜す署員

 いわき中央署は7日、東日本大震災から12年を迎えるのを前に、いわき市の薄磯海岸周辺で行方不明者の捜索活動を実施した。震災後に採用された若手署員らが行方不明者の手掛かりを捜した。同署によると、管内の犠牲者は267人、行方不明者は23人。この日は捜索活動の前に、同署で幹部らが若手署員に震災時の体験を伝える講話「伝承教養」を行った。

 捜索活動には、震災による行方不明者の捜索の経験がない若手署員ら約30人が参加した。参加者は砂浜で横一列に並び、棒状の道具やレーキで砂をかき分け、行方不明者の発見につながる手掛かりを捜した。

 地域課の影山夏果巡査(20)=郡山市出身=は警察学校を卒業後、同署に配属されてから初めて参加した。「行方不明者の帰りを待つ家族のため、どんなに小さく、ささいな手掛かりでも見つけ出すという気持ちで臨んだ」と語った。捜索前に震災体験の講話を聞き「当時の警察官の過酷な状況や被災者の気持ちを感じることができた」とし「今後、震災のような災害が起きた場合には、迅速かつ的確な行動ができるように努めたい」と気持ちを新たにした。