県が補助制度"普及促進" 重点施策・再生可能エネルギー

 
県が補助制度

 東京電力福島第1原発事故を受けて県が重点施策として取り組みを進める再生可能エネルギー設備の導入量は、2012(平成24)年度現在で約401メガワット(約40万1000キロワット)で、11年度から約39メガワット増えた。再生可能エネルギーの買い取りを大手電力に義務付けた「固定価格買い取り制度」などを背景に、導入の動きが加速している。

 県によると、本年度も毎月約10メガワットの導入量がある。本年度の導入見込み量に設定した約488メガワットを達成する見通し。

 再生可能エネルギーの中で最も導入が進んでいるのは太陽光発電。12年度の導入量は約98メガワットで前年度から約32メガワット増え、全体の増加分の大半を占めた。固定価格買い取り制度の買い取り額が他の再生可能エネルギーと比べて高額に設定されているほか、国や県による住宅用太陽光発電パネルの補助制度により普及が進んでいる。

 国は新年度、避難指示区域などでの導入促進に向けた新たな補助制度を創設する方針で、県は「新年度も導入は進む」とみている。

 

 郡山に研究所開所へ

 東京電力福島第1原発事故を受け、「脱原発」を掲げた県が復興の柱に据える再生可能エネルギー研究。その中核を担う産業技術総合研究所(産総研)の福島再生可能エネルギー研究所が4月1日、郡山市の郡山西部第2工業団地に開所する。

 「世界に開かれた研究開発の推進」「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を使命に、再生可能エネルギーに関する新技術の開発を目指す。

 中心となる研究は「再生可能エネルギーネットワーク開発・実証」「水素キャリア製造・利用技術」「地熱の適正利用技術」「高効率風車技術・アセスメント技術」「次世代太陽光発電技術」「地中熱ポテンシャル評価とシステム最適化技術」の6項目。研究ごとにチームを配置、それぞれに研究を進める。

 4月19、20の両日には、開所を記念したセレモニーを行う。

 

 80万キロワットの導入、15年度に見込む

 県は、再生可能エネルギーの導入促進に向けた指針となる「県再生可能エネルギー推進ビジョン」と「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」を策定している。時期ごとに導入目標などを定めた。

 推進ビジョンでは、原子力に依存しない社会づくりの実現に向け、中長期的な目標を設定。2040年ごろまでに県内で必要となるエネルギーの100%供給を目指す。

 アクションプランでは、中長期的な目標を達成するための短期的な導入見込み量を設定。15年度に12年度実績の約2倍となる80万5016キロワットの導入を見込んでいる。