力強さを増す「企業」 新たな土地で決意、前を向いて歩む

 

 【進出】ランドセルを製造・販売する羅羅屋(ららや)(東京)は震災後の2012(平成24)年9月、会津若松市の河東工業団地で会津若松工場の操業を開始した。東日本大震災がきっかけとなり、それまで縁がなかった本県進出を決めた。安東裕子社長(64)は復興支援の思いがあったとしながらも「若く優秀な人材が集まり、(進出は)正解だった」と手応えを口にする。

 販売会社として1974(昭和49)年に創業した。埼玉県川口市の工場が手狭となり、栃木県などで工場用地を探していた中、震災が起きた。「震災がなければ(福島に)来なかった」と安東社長は語る。初めて会津に足を運び、県や会津若松市の担当者からの説明を聞いた。企業立地のサポートもあり、進出はほぼ「即決」だった。

 会津若松工場は操業から2年を待たず生産が軌道に乗った。「これほど早いとは」。安東社長は社員一人一人の努力に舌を巻く。今年中にも会津若松工場のラインを増やし、同社の主力工場に押し上げる。増産に伴う新規雇用も検討しており、商品は有力な市場となる中国で販売規模を拡大させる。「集中力や忍耐強さ、感性など、(会津など本県は)ものづくりに適している」。安東社長は新天地でのさらなる飛躍に期待を込めた。