店舗移転や解体...契約満了で転機 本格的な事業再建へ

 

 震災と原発事故の被災者による仮設商店は2011(平成23)年から、仮設住宅の建設とともに本格化し、各地に設けられた。本県では津波被災に遭った沿岸部などに仮設商店街が先行して設けられ、最初にオープンしたのはいわき市久之浜地区の「浜風商店街」。相馬市や新地町などでも市街地や仮設住宅の隣接地に誕生。昨年7月には楢葉町商工会が運営する仮設共同店舗「ここなら商店街」がオープンした。

 宮城、岩手両県では復興事業が進むにつれて店舗の移転が進み、解体される商店街もある。浜風商店街も8月で市との賃貸契約が切れる。商店街を運営する久之浜町商工会は商業施設の建設準備に入るなど本格的な事業再建に向けた動きも出ている。

 一方で、本格的な店舗で再建するめどが立っている事業者は少なく、開業時より売り上げが縮小している店も目立つ。仮設店舗の閉鎖を機に、廃業する事業者が出ることも懸念される。