【会津】誘客...あの手この手 会津17市町村、福島県観光を先導

 

 会津地域は新たな誘客策で本県の観光を先導している。

 会津若松市を中心に会津17市町村でつくる極上の会津プロジェクト協議会が大まかに入り込み数を把握するためにまとめた観光客の集計値では、2011(平成23)年に1098万人と落ち込んだ観光客が、13年は大河ドラマ「八重の桜」の効果もあり1507万人に達するなど、回復してきている。新たに会津美里町など各市町村に漫画家の故手塚治虫のキャラクターを設定し、観光名所を巡るスタンプラリーを計画している。

 喜多方市は15年、市内で利用できる宿泊と産品購入をセットにした「プレミアム宿泊券・ふるさと産品券」を発売、地域経済の振興を仕掛けた。

 西会津町は町振興公社が中心となり、東日本大震災と阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する「キャンドルナイト」を開き、二つの大震災を心に刻んだ。

 猪苗代町は、東京五輪・パラリンピックに向けたホストタウン構想を進めており、野口英世を縁にガーナとの提携が決まった。北塩原村は猪苗代、磐梯の両町と東京五輪選手らの合宿の郷構想を進める。

 磐梯町は、史跡慧日寺(えにちじ)跡金堂内の「薬師如来坐像」の模型復元事業や門前町の町並み再現事業などで誘客を目指す。
 会津坂下町は、湯川村と共同で14年に整備した「道の駅あいづ湯川・会津坂下」の来場者が100万人を突破した。

 湯川村は、ふるさと納税の返礼品にコメを贈る取り組みが好評で、本年度は全国9789人から申し込み、総額3億7347万8211円の寄付があった。

 奥会津の柳津、金山、三島、昭和の4町村は連携して観光誘客に力を入れる。只見川沿いを走るローカル鉄道只見線と美しい自然のコントラストがアジアを中心に海外から人気があり、外国人旅行客を積極的に呼び込むインバウンドに復興の可能性を見いだしている。