売り上げ回復、3割程度 会津中央乳業、首都圏出荷継続

 
売り上げ回復、3割程度 会津中央乳業、首都圏出荷継続

県内原乳の出荷制限時に使用したパッケージ(左)。「会津」の文字が使えなかった苦い思い出がよみがえる

 会津坂下町の乳業メーカー会津中央乳業は震災以降も首都圏へ牛乳を出荷し続けている。「うちの牛乳を扱ってもらっている限り届けたいが、卸す商品が少なく輸送コストの方がかかっている」と二瓶孝也社長(69)は厳しい現状を明かす。

 同社の看板商品「会津のべこの乳」は首都圏の百貨店やスーパーマーケットでも好評で、販路を広げていた。しかし、震災と原発事故の影響で全ての取引がストップした。現在、首都圏の売り上げは3割程度しか回復していない。

 県内全ての原乳の出荷停止が決まった時は、岩手県の原乳を代用したため「会津」のラベルを消して販売した。震災から約1カ月後に出荷停止が解除され、約4年が経過したが、消費者よりも店側が本県産品を敬遠し、取り扱うことにリスクを感じているようにみえるという。「原発事故の収束の見通しが立たないと本当の意味で風評はなくならないのでは」と話す。