「青ノリ」出荷...影響懸念 相馬・山下さん、海洋放出は絶対反対

 
青ノリの乾燥作業を行う山下さん。処理水の海洋放出には反対の立場だ

 相馬市松川浦では特産の青ノリの出荷再開から1年が過ぎた。風評への懸念を抱えながら関係者が軌道に乗せようと努力を続けているだけに、処理水の海洋放出について青ノリ養殖に携わる山下博行さん(65)は「絶対に反対だ」と声を上げる。

 松川浦の青ノリは震災前、代表産地の三重県を通して全国に出荷されていたが、現在は地元業者の懸念などから控えられている。出荷先は本県や宮城県が中心。ノリ養殖で生計を立てていくために以前のような出荷体制が望まれるが、トリチウムを含む処理水が海洋に放出されれば、さらに遅れが生じるのではないかとの懸念もある。

 青ノリの出荷再開に向け、漁師らが約3年かけて海底のがれきを撤去した。乾燥させたノリの放射性物質の低減のほか、津波で流された種場の再建など予想以上の時間を要した。現在のノリの棚数や出荷額は震災前の1割強にとどまる。それでも出荷再開で全国各地から支援の声が集まる。山下さんのもとには「おいしい」との声も届くようになり、本格操業へ重要な時期を迎えている。

 今後の課題は風評払拭(ふっしょく)と受け入れ先の確保だ。「しっかりと検査が行われている。ここまで安全が確保されているものはない。地道に安全性をPRしていきたい」と山下さん。風評の恐ろしさを痛感してきただけに、処理水の処分方法を巡る議論を注視している。

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