高速道など『交通網』整備加速 常磐線は20年3月・全線再開通へ

 
原発事故の影響で劣化した富岡町の夜ノ森旧駅舎。解体され、100年近くの歴史に幕を閉じた=2019年1月

 東日本大震災から8年6カ月がたち、甚大な被害を受けたJR常磐線や浜通りをつなぐ高速道の整備が加速している。2020年3月までに全線での運転再開を目指す常磐線には今年4月、新駅が完成。常磐道ではIC開通が相次ぎ、相馬福島道路も来年度中に全線開通する見通しだ。インフラの整備は、本県復興に向けた原動力の一つになる。

 特急運行、新駅誕生...利便性向上がアピール材料

 【常磐線】富岡―浪江間(20.8キロ)で運休が続いているJR常磐線は、2020年3月までに全線再開通が予定されている。関係者によると、事故から8年6カ月がたち、運休区間の路線の復旧はほぼ完了した。待望の再開通に向けた準備が着々と進む。

 帰還困難区域内にある沿線の駅も再整備により新たな姿に生まれ変わろうとしている。富岡町の夜ノ森駅では、原発事故の影響で劣化した旧駅舎を解体。東口と西口を結ぶ自由通路や新しい駅を優先して建設し、100年近くの歴史を誇る旧駅舎の面影を残す待合所や広場も整備する。双葉町の双葉駅でも東西自由通路を2階部分で一体化した「橋上駅」の新設工事が進む。

 全線再開通に合わせ、JR東日本は東京―仙台間を直通で結ぶ特急列車の運行を再開させる。国内有数のサッカー施設、Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)が全面再開した4月20日には、ピッチまで徒歩約2分の場所に新駅「Jヴィレッジ駅」が誕生した。富岡町の職員は「震災前と比べ沿線の利便性と魅力は向上する。聖火リレーが浜通りを駆け抜ける際に復興の大きなアピール材料になる」と話す。

 「4車線化」目指す IC相次ぎ開通

 【常磐道】常磐道は2015(平成27)年3月に常磐富岡―浪江インターチェンジ(IC)間(延長14.3キロ)が開通し、太平洋沿岸部で首都圏から仙台圏までを結ぶ大動脈が完成した。

 完成後も県内では、ICの整備が進んでいる。今年3月には楢葉町にならはスマートIC、大熊町に大熊ICが相次いで開通。双葉町などは同町に常磐双葉ICを整備しており本年度中の開通を見込む。さらに南相馬市などは、同市小高区に小高スマートIC(仮称)の設置を検討している。

 また、いわき中央―広野IC間(延長約27キロ)と山元―岩沼IC間(同約14キロ)では、来年度の完成を目標に4車線化の整備が進められている。残りの暫定2車線区間のうち、国土交通省は浪江―山元IC間で対面通行となっている約34キロを優先的に4車線化する区間に選定。財源を確保しながら順次着工し、今後10~15年かけて完成を目指す。

 6割完成!20年度「全線開通」

 【相馬福島道路】相馬地方と県北地方を結ぶ東北中央道「相馬福島道路」(延長約45キロ)は国が復興支援道路として整備を進めており、来年度中に全線開通する見通し。

 相馬山上―霊山インターチェンジ(IC)間(延長27.5キロ)が開通済みで、全体の約6割が完成した。常磐道に接続する相馬―相馬山上IC間(同6キロ)が年内、東北道とつながる国道4号IC(仮称)―桑折ジャンクション(JCT)間(同2キロ)が来年夏ごろまでに、霊山―福島保原線(仮称)―国道4号IC間(同10.2キロ)が来年度末までに完成するめどが立っている。

 全線開通すれば、相馬―福島大笹生ICの所要時間は約40分となり、並行する国道115号などを利用する従来の経路の約80分から5割近く短縮される。

 本県復興をさらに加速させるとともに、交流人口の拡大や産業の活性化、相双から福島医大への搬送時間の短縮などの効果が期待される

 小名浜道路など8路線・29工区整備

 【ふくしま復興再生道路】県は本県復興を支える幹線道路を「ふくしま復興再生道路」と位置付け、いわき市の小名浜道路など8路線、29工区を整備している。今年6月末現在で26工区で着工、12工区が完了した。

 7月には、いわき市と川内村を結ぶ国道399号戸渡2工区(約1.2キロ)が約8年の工事期間を経て開通。残る工区も調査設計などを進めている。

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