双葉町長・伊沢史朗氏に聞く 追加除染を要望...徹底的に線量低減

 
「新たなまちづくりへ町民と連携したい」と語る伊沢町長

 来年3月末までの一部地域の避難指示解除を目指す双葉町の伊沢史朗町長に、課題や復興への思いなどを聞いた。

 ―復旧、復興の現状は。
 「産業再生の拠点となる中野地区の整備、来年春のJR常磐線の全線開通に合わせた双葉駅の新設工事、常磐道常磐双葉インターチェンジ(IC)の整備などが順調に進んでいる。今も全町避難は続いているが、帰還環境の整備が進んでいることを少しずつ示せるようになってきた」

 ―避難指示の先行解除や立ち入り規制緩和の意義は。
 「2022年春を目標とする復興拠点全域の避難指示解除に向けた第一歩で、復興の取り組みをさらに加速させるための準備段階。規制緩和で町民が町の状況をより直接的に判断できるようになり、戻りやすくなると思う。工事業者も作業しやすくなる。解除後、われわれの想定していないような問題が出てきても、しっかりと対応できるよう取り組みたい」

 ―避難指示の先行解除に向けた対応は。
 「空間放射線量の高い部分が確認されたので、国にフォローアップ除染(追加除染)の実施を要望し、徹底的に線量を低減させていく。社会インフラの復旧は時間がかかると想定している。目標に向かい、人が戻って生活するのに問題がないよう環境を整備していきたい」

 ―復興への思いを。
 「震災当初は、いつ町に戻れるのか想像すらできない非常に厳しい状況だった。しかし、職員一丸となって町への帰還を諦めなかったことで、町が目指す復興の姿を町民に具体的に示せるようになり、非常に感慨深い。皆さんとともに新たなまちづくりへ連携していきたい」