福島医大副学長・安村誠司氏に聞く 「人と交流...意識した外出」

 
「帰還した地域での役割を楽しみ、社会参加してほしい」と話す安村副学長

 「冬場はおっくうになりがちだが、無理のない範囲で外出してほしい」と呼び掛けるのは、公衆衛生学や老年学を専門とする福島医大の安村誠司理事・副学長。その上で「単に身体を動かすことを目的にするのではなく、人と交流することを意識してほしい」とアドバイスする。

 帰還住民については「心身ともに比較的健康で、前向きな人が多いと思うが、帰還しても元の生活に戻れるわけではない。期待が大きい分、落ち込む心配がある」と懸念。それだけに、「前向きな思考で社会参加することが大切。住民が少ない分、地域の中で発生する役割も楽しんでほしい」と話す。

 ただ、あくまで健康は「自分がしたいことをするための手段」と安村副学長。「帰還した住民の知識や経験を生かし、新たなコミュニティーを生み出して住民が主役の地域をつくることが必要だ」と訴える。