福島大教育推進機構・前川直哉特任准教授に聞く 格好いい大人に

 
「地域で活躍する大人の姿を子どもに見てもらうことが大切」と話す前川氏

 教育学や社会学が専門で、ふくしま学びのネットワーク事務局長を務める福島大教育推進機構の前川直哉特任准教授(42)は「古里を学びのフィールドと捉え、地域の課題を知ることを通じて子どもたちが自分にできることを主体的に考える機会にしてほしい」と語る。

 古里で暮らした記憶を持たない子どもたちも増える中、「古里教育は大人の押し付けになってはいけない」と前川氏。重要なのは「地域の課題解決に取り組む格好いい大人の姿を子どもたちに見せること」と話し、大人世代が自ら地域の課題に向き合う必要性を指摘する。

 子どもたちには「自分や親がそこで生まれたからと言って、必ずしも古里を好きになる必要はない」とアドバイス。ただ、「『古里のこれからを考える』という答えのない問いはAIも取って代わることのできない、福島でしかできない大きな学び。将来、福島で学んだことを自慢してほしい」と本県の子どもたちにエールを送る。