避難解除自治体は学校運営『模索』 故郷で新たな特色ある教育へ

 

 原発事故による避難指示が解除された自治体は、古里での新たな学校運営を模索している。

 「運動会」地域一体

 浪江町は2018(平成30)年4月、町内になみえ創成小・中を開校。敷地内には認定子ども園「浪江にじいろこども園」があり、保・幼・小・中の子どもたちが交流している。

 地域と支え合い、地域と共に歩む学校教育が特色の一つ。秋に開催される運動会は子ども園と小、中学校の合同運動会で、子どもたちや保護者だけでなく地域住民や町内で活動する団体の関係者も参加し、町の運動会として盛り上がっている。

 生徒と住民「対話」

 広野町に昨年4月に開校したふたば未来学園中。復興を担う人材の育成を目指し、地域の課題を学ぶ独自の授業「未来創造学」が教育の柱だ。

 生徒はフィールドワークなどで住民らとの対話を通し、震災、原発事故の課題を向き合い、地域再生に向けて何が必要なのか知恵を絞る。中学校に併設されているふたば未来学園高では、課題の解決に向けてさらに学びを深める授業「未来創造探究」に取り組む。

 「少人数教育」活用

 飯舘村には今春、草野、飯樋、臼石の3小学校と飯舘中が統合する形で小中一貫の義務教育学校「いいたて希望の里学園」が開校する。少人数教育を生かしながら復興・創生期間が終了する21年度以降も、特色や魅力のある教育を継続するのが狙いだ。

 9年間の区分けは現行通りの「6・3制」を採用。校舎は現在の小、中学校の合同校舎を使用する。1月16日時点で児童、生徒計64人が通学を希望している。