福島第2原発・廃炉『44年』に厳しい視線 核燃料受け入れ先なし

 
廃炉まで44年を要する東京電力福島第2原発。使用済み核燃料の搬出先など課題は山積している

 東京電力福島第2原発(楢葉町、富岡町)の全4基の廃止措置計画の内容がほぼ固まり、廃炉完了までに44年を要する見通しとなった。住民が「県外搬出」を求める使用済み核燃料や放射性廃棄物の処分方法も記されているが、現時点で国内に受け入れ先はない。地元は「実現性に乏しい」と厳しい目を向ける。

 東京電力が示している福島第2原発全4基の廃止措置計画によると、廃炉作業は4段階に分けて進められる。第1段階の10年では、主に建屋の汚染状況の調査や屋外設備の解体を進める。第2期間が終了する22年目までに使用済み核燃料プールで保管中の燃料9532体を取り出し、廃炉完了までに全量を再処理事業者に譲渡する。未使用燃料544体も燃料加工会社に渡すとしているが、いずれも譲渡先は未定だ。

 建物の解体など、廃炉作業に伴うがれきなどの放射性廃棄物は約5万1690トン発生する見通し。計画では、処分方法について「原子炉等規制法に基づき廃棄の事業の許可を受けた者の廃棄施設に廃棄する」と明記しているが、廃棄施設は現時点で国内に存在しない。

 東電は核燃料や放射性廃棄物の受け入れ先について「電力会社の共通の課題。国に協力を求めたい」と繰り返す。富岡町のある町議は「計画では廃炉が円滑に進むかのように記されているが、不透明な部分が目立つ。まずは最終処分についての議論を深めるべきだ」と指摘した。