沿岸部の土地転用...「再エネ」発電施設 発電事業者に貸し付け

 
沿岸部に立ち並ぶ太陽光発電所=南相馬市

 【浜通り北部】浜通り北部の津波被災地は、太陽光発電所や風力発電所など再生可能エネルギーの発電施設が立ち並ぶ。このうち、南相馬市は東京電力福島第1原発事故を受け、原子力に頼らないまちづくりを進める。市は買い取った沿岸部の土地を転用して発電事業者に貸し付けるなどし、再エネの導入を進めている。

 市は2012(平成24)年10月、再エネ導入比率を30年度までに100%を目指す「再生可能エネルギー推進ビジョン」を掲げた。市によると19年度末現在、市内で消費される電力の73%分を賄える電力を再エネで発電している。

 市は、震災の津波被害を受けた沿岸部の土地約350ヘクタールを買い取った。再エネの発電施設のほか、今春に全面開所したロボットの研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド」、防潮堤や防災林など約300ヘクタールの跡地利用が決まっている。

 市によると、残る約50ヘクタールは利用計画が決まっていない。津波で被災した土地であることから、人が集まる施設の新設が難しい状況にある。市は残る土地について、本年度中にも土地情報を公開し、「需要の掘り起こしを進めたい」としている。