11年度・31世帯→19年度・509世帯 福島県への「移住」世帯数

 

 本県への移住世帯数は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で一時低迷したが、その後は増加傾向にある。2016(平成28)年度に初めて年間の移住世帯数が100世帯を超えると、19年度は509世帯と増加した。

 データが残る06年度の移住世帯数は32世帯。県は同年度、移住相談センター「ふるさと回帰支援センター」(東京都)に全国の自治体に先駆けて相談員を配置。移住希望者らに対する情報発信を始めた。徐々に移住世帯が増え、10年度は72世帯と約2倍になった。

 ただ、震災があった11年度は31世帯と半減、その後3年間は移住世帯数が伸び悩んだが、地方の人口減少に歯止めをかける「地方創生」の動きが活発化すると、再び移住世帯が増えた。

 県は17年度、各地方振興局に移住コーディネーター計7人を配置したほか、県東京事務所に移住推進員を配置するなど、県内外で活動を本格化させた。移住者の受け入れ活動を行う団体に対する補助金制度も始めたほか、会員制交流サイト(SNS)を使った情報発信など、若者向けの取り組みも始めた結果、移住世帯数は100世帯を上回った。

 人口減少対策の指針「ふくしま創生総合戦略」では、移住世帯数を500世帯と掲げ、目標値の上方修正も見据える。県地域振興課の担当者は「人口の増加にも取り組みながら、将来の移住者に本県の魅力を伝えていく」と話した。