【数字で見る】ADR和解成立8割弱 損害賠償紛争解決センター

 

 原発事故の被害者と東京電力との紛争解決を迅速に進めるため、事故後導入された裁判外紛争解決手続き(ADR)。仲介を担う原子力損害賠償紛争解決センターによると、2021年2月25日現在の申立件数は2万6644件に上る。

 申立件数は、2014(平成26)年の5217件が最多で、その後は減少傾向となっている。和解が成立したのは、総申立件数の8割弱となる2万641件。打ち切りや取り下げなどを除き、現在も審理が続いているものは834件となっている。

 同センターによると、14年以降は和解打ち切りの割合が増加傾向にある。これは原発事故からの時間経過により、申し立てられた損害と事故との因果関係を認定するのが難しい案件が増えていることが一因にあるという。また、同様の理由に加え、事故後の生活環境の変化などで個別の事情が多様化し、より丁寧で具体的な審理が必要となっていることなどから、和解案提示までの期間も長期化しているという。