「農産物」輸出、震災前を超える 福島県産品、安全性など発信

 

 県産品の輸出量は東京電力福島第1原発事故で激減した。世界54カ国・地域が導入した輸入規制の影響が大きく、農産物は2010(平成22)年度の15万2900キロから、12年度には2400キロまで落ち込んだ。

 21年1月29日現在で輸入規制を継続しているのは、事故前の主要輸出先だった香港、台湾を含む15カ国・地域。県は、輸入規制の撤廃が早かった東南アジアの市場開拓にかじを切り、県産品の安全性と品質の高さを粘り強く発信してきた。徐々に輸出量を伸ばし、17年度には事故前を上回る過去最多の21万3300キロに達した。18年度21万7800キロ、19年度30万4900キロと実績を積み上げている。

 輸出金額をみると、県が統計を始めた12年度以降、実績は右肩上がり。海外で評価の高い県産ウイスキーや果実酒が堅調に推移しているほか、東南アジアを中心に農畜産物の輸出が伸び、19年度は12年度比で7.5倍の約7億3200万円に達した。