福島第2原発「廃炉」正式決定 東京電力、完了までに44年を要す

 

 東京電力は2019年7月、福島第2原発の廃炉を正式決定した。東電はその後、廃炉完了までに44年を要するとの見通しを示し、長期にわたる作業の緒に就いた。

 第2原発の廃炉を巡っては、東電の小早川智明社長が18年6月に内堀雅雄知事と面会し廃炉の検討を伝えていたが、正式決定までには1年以上の時間を要した。廃炉に伴い、立地する楢葉、富岡両町の財源となっていた交付金などに代わる措置が懸案となっていたが、経済産業省は19年、両町へ財政支援する方針を決めた。

 19年は第1原発にも動きがあった。放射性物質を含む処理水の処分を巡って経産省が同年12月、「希釈して海洋放出」など3案を提示、議論が動きだしたが、風評被害への懸念などから、現在まで明確な方針は決まっていない。