福島県警警備部長・安斎浩明氏に聞く 被災地の治安対策強力推進

 
安斎浩明警備部長

 県警の安斎浩明警備部長に、震災から間もなく11年を迎える中での県警活動などについて聞いた。

 ―浜通りを中心とした被災地の現状をどう見るか。
 「沿岸部の被災地の刑法犯認知件数は、震災前より低水準で推移している。ただ、窃盗犯が8割で他地域より高い傾向にあるのが特徴となっている。道路網の整備など復興が進むにつれ交通事情が変化しており、事故への注意も必要だ」

 ―県警として被災地での活動にどう取り組むか。
 「震災と原発事故が発生してから『復興治安対策』は、県警の最重要課題となっている。全国の警察からの応援や関係団体の支援を受けながら、被災地域の安全と安心を確保するため誇りと使命感を持って強力に推進していく」

 ―今後の本県復興にどのように向き合うか。
 「震災から1週間たったころ、ある双葉署員の家族が私の元に来て『お父さんは元気ですか』と聞いてきた。彼は自ら被災しながら、家族に連絡も取らずに職務に当たっていた。大切なのは、県民に寄り添うことだと思う。パトロールなどを通じて、将来にわたって県民に身近な存在として安全安心を守りたい」