浜通り、警察署や駐在所が復興とともに再開 被災地の治安支える

 

 東京電力福島第1原発事故や津波被害により、浜通りの一部の警察署や交番などは使用ができなくなり、一時的に拠点を失った。復興の進展とともに使用の再開を進め、被災地の治安を支えている。

 福島第1原発から20キロ圏内にある双葉署(富岡町)は事故後、立ち入り制限を受けたことから福島署川俣分庁舎に拠点を移した。制限緩和を受け、2012年に道の駅ならはに臨時庁舎を開所し、17年に本庁舎で本格的に業務を再開した。

 磯部駐在所(相馬市)や尾浜駐在所(同)などは、津波の影響で流失、浸水する被害に遭い、業務停止を余儀なくされた。新築移転や建て替えなどを進め、14年4月以降に徐々に再開した。請戸駐在所(浪江町)は現在も閉鎖しているが、多くの駐在所や派出所は再び街の治安を守る拠点としての役割を担っている。

 各地に残る帰還困難区域のうち、富岡町の一部の立ち入り規制が緩和されることを受け、県警は夜の森駐在所の使用を先月25日に再開した。帰還困難区域にある駐在所の中では、初めての使用再開となった。駐在所の玄関には「夜の森地区パトロール拠点」と記された看板が掲げられ、暮らしの再生を歩む住民を見守っている。