不明者1614遺体、家族の元に 残り196人、沿岸捜索変わらぬ決意

 
新地町の海岸で砂をかき分けて行方不明者の捜索に当たる相馬署員=2022年1月19日

 県警は、東日本大震災で行方不明になった人の捜索を続けている。原発事故の発生直後には、当時の松本光弘本部長(後の警察庁長官)を先頭に放射線を測りながら、ほぼ手つかずだった原発10キロ圏内の捜索に取り組んだ。これまでに1614体の遺体を発見し、帰りを待つ家族の元に返すことができた。

 震災の100日後からは毎月1回、各地で一斉捜索を実施した。がれきをかき分け、海に潜り、重機を使って地中も捜した。ただ、防潮堤の完成など復興が進んだことから、沿岸部で重機を使った捜索は難しくなった。2017(平成29)年3月、大熊町でがれき撤去の際に発見された骨が小学生女児と判明して以降、新たな不明者は見つかっていない。

 昨年からは一斉捜索ではなく、各警察署が現地の気象状況などを判断しそれぞれに実施日を決めている。また、全国から派遣されている「ウルトラ警察隊」のメンバーらが、帰還困難区域などでの日常業務の中で捜索に汗を流している。

 残る行方不明者は196人。県警災害対策課は「行方不明者の発見に努めていく」と、変わらぬ決意を示している。