相馬福島道路が全線開通 交流促進に期待

 

 国土交通省が「復興支援道路」として整備を進めた東北中央道「相馬福島道路」(延長約45キロ)は昨年4月、全線開通した。常磐道と東北道、相馬地方と県北地方がつながり交流促進が期待されている。

 相馬福島道路は、相馬山上インターチェンジ(IC)―相馬玉野IC間(阿武隈東道路、10.5キロ)が2017年3月に開通し、その後、順次開通区間を広げていった。最後に残されていた霊山―伊達中央―伊達桑折IC間(延長10.2キロ)は昨年2月の本県沖地震のため、予定より約1カ月遅れで通行可能となった。国交省が霊山―伊達中央IC間で行った交通量計測によると、昨年6月時点は1日当たり4900台だったのに対し、同10月は5400台となり、増加傾向を示している。

 また、山形県につながる交通網が誕生したことで、沿線の道の駅の来場者数増加や相馬港に立地する鉄鋼加工メーカーの取引拡大など、整備効果も出ている。昨年10月には相馬から山形県米沢までの沿線10市町村、地元商工団体による広域連携組織が誕生し、観光誘客や産業振興を目指す取り組みも始まった。東北中央道は将来的に秋田県横手市まで総延長268キロを結ぶ計画で整備が進んでいる。