地震対策、問われる「情報管理」 東京電力、2時間半発信なし

 
原発情報を発信する東電の公式ツイッター。今回の地震では更新の遅れが指摘された

 今回の地震では東京電力による有事の情報発信にも課題を残した。東電は福島第1、第2原発の関連情報を発信している公式ツイッターで、地震発生の約15分後に「当社設備への影響を確認している」と投稿して以降、約2時間30分にわたり、原発の状況に関する発信がなかった。

 地震が起きたのが深夜だったことに加え、停電も発生してテレビを見ることができない人たちが多かっただけに、自身のスマートフォンで情報を得られるツイッターなどの交流サイト(SNS)への注目度が増していた。

 経済産業省は発信の遅れを問題視し、適切に情報を発信するよう翌日に東電を指導した。東電福島復興本社の高原一嘉代表は5日の定例記者会見で、経産省の指導を「重く受け止めている。何ができなかったのかを具体的に検証し、発信の仕方の見直しを検討している」と語り、時間の短縮に努める考えを示した。

 停電に備えておく必要があり、高原氏は「あらゆる手段を講じないと難しい問題だ」と認める。その上で「発信しようとしている事案がどの程度重要なのか、確認に時間を要する。確定していない情報がある中でどう伝えればいいかが悩ましい」と課題を挙げた。

 11年前の原発事故を経験した県民はもちろん、ロシアによるウクライナ侵攻で原子力施設の安全性に社会の関心が高まった。東電は事態の改善へ待ったなしの対応が迫られる一方、政府からの正確で速やかな情報発信も欠かせない。