移住者増...戻る子育て世代 震災前の3割、人口は緩やかな伸び

 

 南相馬市小高区の居住人口は6月30日現在、1727世帯3833人となっている。東日本大震災時の2011(平成23)年3月11日の住民登録者数の1万2842人と比べると、約3割にとどまる。しかし、16年7月の避難指示解除からの人の動きを見ると、人口減少と少子高齢化が急激に進んだとされる一般的な被災地のイメージとは異なる傾向がうかがえる。

 避難指示の解除から間もない16年11月末の段階では1013人だったが、19年3月末には3000人台にまで回復した。その後は、伸びは緩やかになっているが、減ることなく増え続けている。

 居住人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、16年11月末が6割弱だったが、今年6月末には5割弱に下がった。市の担当者は子育て世代の帰還が進んだことに加え、区域外からの移住増が背景にあると分析する。昨年7月~今年3月末の間に、小高区に移り住んだのは21世帯28人となっている。世帯を年代別に見ると、40代が8世帯で最も多く、20代の5世帯が続く。

 市は、震災前とは異なるものの、市立総合病院付属小高診療所の診療開始や小学校の統合、「小高子どもの遊び場」(NIKOパーク)の整備などで生活環境が一定程度整ったみており、さらに移住・定住の促進に力を入れていく方針だ。