【首長に聞く】杉岡誠飯舘村長 「楽しいふるさと」実現

 
「復興を持続的なものにしたい」と語る杉岡村長

 2017(平成29)年3月末の避難指示解除から丸4年を迎えようとしている飯舘村。道の駅や多目的広場などを含めた村内の復興拠点整備が完了した一方、村内で唯一の避難指示区域となっている帰還困難区域の長泥地区の復興に向けた取り組みなど課題は多い。昨年10月に就任した杉岡誠村長は「村に関わる全ての人が連携してふるさとの再生と発展に取り組み、復興を持続的なものにしていきたい」と話した。

 ―間もなく震災から10年を迎える。
 「10年と一口に言っても、人によって感じる長さは違う。とにかく前に向かって進んでいくことが大事だと思う。『明日が待ち遠しくなるようなわくわくする楽しいふるさと』を目指し、施策を実現していくことが私の務めだと感じている」

 ―昨夏、復興拠点と定めた深谷地区の整備事業が一通り完了した。
 「広場には毎月、村内外から千人以上の人が訪れ、利用してもらっている。今後は道の駅も含め、多くの人に一層愛着を持ってもらえるような場所にしたい」

 ―特定復興再生拠点区域(復興拠点)に指定されている長泥地区の一部では、除染土を農地造成に再利用する事業が進められている。
 「国の事業でありながら、住民も加えた運営協議会を組織し、住民の意見を丁寧に聞きながら事業が進んでいる。なによりも事業の進捗(しんちょく)状況を発信していくことが大事。広く理解醸成が進むことを願いたい」

 ―長泥地区の復興については。
 「(特定復興再生拠点区域に指定されていない帰還困難区域について)国が昨年12月に新たな避難指示解除要件を決めた。今後の方針については、自分の目と耳で住民の方の意向を確認しながら方向性を見定めていきたい」
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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく丸10年。避難指示が出された12市町村長に、復興に向けた課題を聞いた。