【首長に聞く】本田仁一田村市長 「新産業」地域活性化に期待

 
「新産業を活性化の起爆剤としたい」と話す本田市長

 田村市都路地区は2014(平成26)年4月の避難指示解除から間もなく7年。企業誘致に成功するなど、地域復興の一定の成果が表れている。本田仁一市長は「復興に向けて1歩ずつ着実に進んでいる。新産業を地元商業活性化の起爆剤として期待したい」と話す。

 ―昨年には、都路地区への工場進出が続いた。
 「ホップジャパンが地ビール醸造施設、農業系企業A―Plus(エープラス)が植物工場『ファーム&ファクトリー田村』で操業開始した。都路から産品を発信する拠点ができた。地域産業の核として引っ張っていってほしい」

 ―基幹産業の農業についての施策は。
 「生産性を高め、収益性に優れた農業ができるようにしたい。ほ場やライスセンターの整備を進めていく。市ブランド産品認証制度を設けたので、産品の販路開拓と市場の評価向上を目指していきたい」

 ―里山は再生できるか。
 「シイタケなど中山間地の恵みは、復興に向けたハードルが高いのは事実だが、森林整備事業など、できることをやっていくしかない。観光地の五十人山や行司ケ滝では、誘客に向けた取り組みを進めている。コロナが落ち着いてきたら、観光情報発信を強めていく」

 ―被災地への移住定住に向けた課題は。
 「都路地区は震災前、都市圏からの移住者受け入れや高原の別荘地として、150棟を超える別荘や移住用住宅が建設された。しかし、今では避難などにより約半数が空き家になっている。住宅の老朽化が進むと、治安面で住民の不安も大きくなる。復興庁と連携し、解体や再利用を進めていく。観光客や移住、2地域居住、テレワーク希望者への貸し出しなどで、地域活性化や関係人口の構築につなげたい」