【59市町村・この10年】世界的会議で復興発信 いわき市

 
2度の太平洋・島サミットや世界水族館会議など復興へと歩む姿を世界にアピールした=2018年11月

 震災による津波で沿岸部の広い範囲が浸水、死者は460人を超え、建物被害は9万棟以上に及んだ。防潮堤のかさ上げや震災復興土地区画整理事業が進められ、沿岸地域を中心に新しい景色が生まれた。

 アクアマリンふくしまは2011(平成23)年3月の被災から4カ月ほどで再開し、新設された小名浜魚市場、開業したイオンモールいわき小名浜など小名浜港一帯の再生が加速化、産業・観光振興の拠点としてにぎわいを見せている。

 15、18年に太平洋・島サミットが開かれた。18年は世界水族館会議も開催され、復興するいわきの姿を世界にアピールした。日本フットボールリーグ(JFL)で戦ういわきFCは本格始動から6年目。いわき海星高は21世紀枠で選抜高校野球大会の出場を果たし、磐城高は選抜に代わる甲子園高校野球交流試合に臨んだ。

 市は16年に市制施行50周年を迎えた。20年5月にはいわき震災伝承みらい館が誕生、震災の記憶と教訓を次代に引き継いでいる。