【59市町村・この10年】震災後も檜枝岐歌舞伎 檜枝岐村

 
檜枝岐村の国指定重要有形民俗文化財「檜枝岐の舞台」で上演された檜枝岐歌舞伎=2017年5月

 東京電力福島第1原発事故で避難した大熊、浪江両町と南相馬市の住民延べ2千人以上を村内の民宿や旅館で受け入れた。東日本大震災で檜枝岐歌舞伎の開催が危ぶまれたものの、2011(平成23)年4月に新春公演が行われ、村民や避難住民らの心を癒やした。

 11年7月の新潟・福島豪雨では、道路網の寸断や停電などで村は数日間孤立状態となった。自然災害はその後も続き、13年2月に地震の影響とみられる大規模な表層雪崩が発生、国道352号が約60メートルにわたり寸断された。15年2月には最大積雪深が339センチに達する大雪に見舞われた。

 16年4月に「会津の三十三観音めぐり」が日本遺産に登録され、村の石碑や石仏群が構成文化財となった。村は17年に村政独立100周年を迎え、節目を祝う歌舞伎が上演されるなど関係者が村勢伸展を誓った。村は19年ごろから尾瀬国立公園内を通る会津沼田街道(檜枝岐村―群馬県)にスポットを当てた新たな振興策を展開している。