【59市町村・この10年】被災市民1000人避難所に 二本松市

 
避難施設の割り振りを受ける浪江町民=2011年3月15日、二本松市役所

 東日本大震災では、全壊11件、大規模半壊48件を含め5891件の民家などが被災した。停電や断水などで、市民約千人が避難所に身を寄せた。

 対応に追われる中、東京電力福島第1原発事故が起きた。3月15日早朝、三保恵一市長は馬場有浪江町長(当時)から町民約8千人の受け入れを要請された。市内の体育館や住民センターなど20カ所に約3300人が避難。東和支所に臨時役場を設けるなど、復興対応の拠点となった。復興公営住宅も4団地あり、町民らが新たな生活を送る。

 原発事故は市民生活にも影響を及ぼした。市民を守ることを最優先に放射線対策を進め、1万4000件以上の住宅を除染。放射線被ばく測定センターを開所、延べ3万2000人を測定した。

 大震災の教訓を生かし、防災や減災の取り組みを強化した。2014年に登録制の緊急情報メールを開始し、18年に防災ラジオを各世帯に配布、地震をはじめ風水害、防犯情報などの迅速な伝達に努めている。