【59市町村・この10年】自然環境生かした誘客 北塩原村

 
富良野自然塾が開校し、なすびさん(右)から自然環境の大切さを学ぶ参加者=2018年7月

 北塩原村は、震災後落ち込んだ観光客や教育旅行の回復などに力を入れている。特に教育旅行は2010(平成22)年度に5万3863人が訪れたが、11年度は2144人と大幅に減少。現在は戻りつつあるが、村は村内を訪れるバスの利用料を助成したほか、首都圏の大学に出向き、合宿誘致なども進めた。

 11年に北塩原、猪苗代、磐梯の3町村が進めてきた磐梯山エリアが日本ジオパークに認定された。地元の「宝の山」を世界に伝える一歩となった。

 同村のグランデコリゾートには18年7月、脚本家倉本聰さんが塾長を務める自然環境体験プロジェクト「富良野自然塾」の裏磐梯校が開校した。本県を舞台に自然の中で生きる人の在り方を考える場所で、地球の歴史などを学ぶアクティビティーが始まった。

 村は17年、台湾の東京五輪・パラリンピックの「復興『ありがとう』ホストタウン」に選ばれた。台湾の中学生が村を訪れるなど、異文化交流が続いている。