【59市町村・この10年】農林業回復へ安全訴え 西会津町

 
ミネラル野菜の家オープンを祝って行われたテープカット=2016年8月

 西会津町は直接的な地震の影響は少なかったものの、風評被害による観光、商業、農林業などの回復に努めた。

 農林業では、原発事故後に菌床シイタケやウドなどが出荷停止となったほか、価格も低迷。モニタリング検査は全て基準値を下回り、安全性は確認され、町は在京出身者らに風評被害対策はがきを送り、安全・安心を訴え続けた。

 同町の道の駅にしあいづに2016(平成28)年、新館「ミネラル野菜の家」がオープン。町特産ミネラル野菜などを売る施設として、にぎわいを生み出した。

 町は18年、旧西会津小の校舎に役場機能を移して業務を開始したほか、19年には広野町と平田村と「浜・中・会津友好交流協定」を締結した。震災後に西会津町に風評被害と闘うヒーロー「丞神(しょうじん)デナー」が誕生した。町商工会青年部が制作し、デナーの後頭部に3本の傷などを入れた。3には福島、宮城、岩手の被災3県の苦しみを忘れないという意味が込められている。