【59市町村・この10年】被災役場で最速の再建 国見町

 
震災で被災した3県の役場庁舎のなかで、最も早い再建となった町役場

 震災直後、町内4カ所に被災者向けの応急仮設住宅を建設した。7月には原発事故による放射性物質を取り除くため、校庭などの表土除去が始まった。

 2012(平成24)年4月には、町内の全5小学校が統合した「国見小」が開校。13年6月には町内で住宅除染が始まり、除染で出た土壌の仮置き場も設置された。11月には、復興に向けて町を明るく照らすイベント「明日へ。復興・きずなイルミネーション」を初開催。毎年恒例のイベントとなった。

 震災で被災した町役場の新庁舎は、15年5月に開庁した。町によると、本県と宮城、岩手の3県の被災した役場庁舎の中では最も早い再建だったという。

 17年5月には、町内の国道4号沿いに農産物などの直売施設やレストランなどを備えた「道の駅国見あつかしの郷」がオープン。利用者は想定を上回り、18年末までに300万人を超えた。今年1月には、仮置き場にあった除染土の中間貯蔵施設への輸送も完了した。