【59市町村・この10年】新校舎を町防災拠点に 鏡石町

 
震災で全壊した鏡石一小の新校舎落成を祝い、演奏を披露する児童ら=2014年11月8日

 住宅や生活インフラに加え、鏡石一小が全壊するなどの被害を受けた。復興事業に合わせ、防災力の強化や産業振興を進めている。

 被災により、鏡石一小児童は仮設校舎などでの授業を余儀なくされた。町は新校舎を「復興のシンボル」と位置付け同校敷地内に再建。防災拠点としての機能も担う校舎は2014(平成26)年1月に完成した。

 12年度からは、観光と農業連携の取り組みとして水田に稲でイラストを描く「田んぼアート」事業を開始。図柄は年々精巧となり、進化を続ける。18年5月には、町の文化や観光情報の発信拠点となる鏡石まちの駅「かんかんてらす」がオープンした。町の特産品や農産物を取りそろえ、イベント会場としてもにぎわう。

 県産品の風評払拭(ふっしょく)に向け、岩瀬農高は農作物の生産管理などに関する国際認証「グローバルギャップ」取得に注力。20年11月、取得品目数は高校日本一となる18品目となった。若者の活躍も復興を支えている。