【59市町村・この10年】町内で役場業務を再開 双葉町

 
双葉町役場コミュニティーセンター連絡所が開所し、震災後初めて町内で役場業務を再開した=2020年3月4日、双葉町長塚

 震災と原発事故で全町避難を強いられた双葉町は、役場機能本体を川俣町、そして埼玉県へと移した。避難指示が出た他の自治体の復旧・復興が徐々に進められる中、双葉町は2013(平成25)年6月、埼玉県加須市に置いていた役場機能本体をいわき市に移転した。

 町内では15年5月、避難指示解除準備区域の本格的な除染が始まる。16年11月には環境省が中間貯蔵施設の本体工事に着手。17年12月、特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の除染と建物解体が始まった。

 20年3月4日、町内で初めて避難指示の一部が先行解除された。町は同日、町コミュニティーセンター連絡所を開所し、町内で役場業務の一部を再開した。

 同年3月7日には常磐道常磐双葉インターチェンジ(IC)が開通、同14日にはJR双葉駅の利用が再開した。避難指示が解除された中野地区では、20年9月に東日本大震災・原子力災害伝承館、同10月に町産業交流センターが開所した。