【59市町村・この10年】葛飾で町産野菜を販売 塙町

 
口コミが広がり行列ができたダリちゃんショップ=2013年10月、東京都葛飾区

 東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の払拭(ふっしょく)に取り組んできた。東京都葛飾区、練馬区と防災協定を結んでおり、震災後に都内で開かれていたイベントなどに積極的に参加した。吉成知温まち振興課長(55)は「福島の風評被害をなくすために必死だった」と当時を振り返る。

 2012(平成24)年7月には、葛飾区に町産の野菜などを直送して販売する「ダリちゃんショップ」を開店した。地元農家や町職員らが店頭に立って販売した。開店当初は福島から来たことが分かると、心ない言葉を受けることもあったという。それでも「都内の野菜よりもおいしい」という評判が地元区民の口コミで広がると、いつしか行列ができるまでになった。

 ダリちゃんショップは現在、新型コロナウイルスの影響により休業を余儀なくされている。

 「コロナが収束したら再開させる。新鮮な野菜を都民に届けたい」と吉成課長は再開に向けて意気込んでいる。