【59市町村・この10年】家畜市場120年歴史に幕 石川町

 
石川家畜市場で開かれた最後の和牛子牛競り。2013年に閉鎖、約120年の歴史に幕を閉じた

 東日本大震災直後には浜通りから400人以上の避難者を町総合体育館で受け入れた。東京電力福島第1原発事故は畜産業に影響。和牛繁殖農家の減少に拍車が掛かったことなどから、和牛子牛の競りを行っていた石川家畜市場が2013年に閉鎖、約120年の歴史に幕を下ろした。

 町が合併60周年を迎えた15年、町内の6小学校が統合され、石川小が開校した。閉校となった校舎には文教福祉施設や学校の寮が整備されるなど、現在は新たな拠点として利活用が進められている。

 役場は旧庁舎が老朽化し、震災で被災したことなどから移転新築され、16年に現庁舎での業務が始まった。町は17年、国の過疎地域に指定された。

 19年の東日本台風(台風19号)の被害も記憶に新しい。大雨で町内を流れる複数の川が越水し、約750世帯の住宅が浸水するなど大きな被害を受けた。町内に磐城石川駅があるJR水郡線も、一部区間で一時運転を見合わせた。